Pythonに完敗?RのスピードはPythonの5倍!?『Rと処理速度比較』徹底解説

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データ分析やデータサイエンスの分野において、R言語とPythonはよく比較される2つの主要なプログラミング言語です。このブログでは、両者の処理速度の比較、計測方法、実行環境、特徴、長所と短所について詳しく解説しています。R言語とPythonのどちらを選択するかは重要な意思決定ですので、このブログがその判断材料として役立つことでしょう。

目次

1. Rと処理速度の比較

data

R言語とPythonの処理速度について、多くの人が関心を持っています。統計計算において、どちらの言語が速いのかを知りたいというのは一般的な関心事です。

統計処理の速度については、R言語には劣るという意見もあります。しかし、特定の例に限った話であり、他の統計処理についても試してみる必要があります。

そこで、私は以下の実験環境で比較を行いました。

1.2 実験環境

  • OS: macOS Catalina バージョン 10.15.7
  • デバイス: MacBook Pro (Retina, Mid 2012)
  • プロセッサ: 2.7 GHz クアッドコアIntel Core i7
  • メモリ: 16 GB 1600 MHz DDR3
  • R version: 4.0.3
  • Python version: 3.8.1

1.3 実験結果

まずは、100,000行1500列のデータフレームを作成しました。各列には、平均値が50で標準偏差が10の正規乱数を小数点以下2桁までで丸めた値を使用しました。変数名はX1、X2、…、X1500でした。

このデータフレームをCSVファイルに書き込む処理には、Rでは135.968秒かかりました。

次に、CSVファイルからデータフレームへの読み込み処理を行いました。Rでは78.787秒かかりました。ただし、列ごとの変数型を指定すると、処理速度が向上しました。具体的には、Rのread.csv関数のcolClassesパラメータを使用しました。これによって読み込み処理は33.607秒に短縮されました。

また、data.tableパッケージのfread関数を使用するとさらに高速な処理が可能です。fread関数を使用する場合、Rの読み込み処理はわずか5.023秒で完了しました。この速度はPythonの約5.7倍速いです。

以上の結果から、私の環境ではRよりもPythonの処理速度が優れていることが分かりました。ただし、他の統計処理においても試してみる必要があります。

2. Rと処理速度の計測方法

time

Rの処理速度を計測する方法について説明します。処理速度を計測する際には、以下の方法を使用します。

  1. 開始時刻と終了時刻を取得する
    – 開始時刻を取得するために、Sys.time()関数を使用します。開始時刻をstartTimeという変数に格納します。
    – 処理の終了時刻を取得するためにも、Sys.time()関数を使用します。終了時刻をendTimeという変数に格納します。

“`R
startTime <- Sys.time() # 開始時刻の取得

処理

endTime <- Sys.time() # 終了時刻の取得
“`

  1. 処理時間の計算
    – 処理にかかった時間は、終了時刻から開始時刻を引いた値として求めます。
    – 処理時間を計算する際には、endTime - startTimeという式を使用します。

R
processingTime <- endTime - startTime # 処理時間の計算

以上の方法を用いることで、Rの処理速度を計測することができます。

3. 実行環境

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Rを利用する際には、適切な実行環境の準備が重要です。以下の要素を考慮することで、スムーズな開発やデータ分析が行える環境を整えましょう。

3.1. Rのインストール

Rを使用するためには、まずRのインストールが必要です。公式ウェブサイトから最新バージョンを無料でダウンロードし、インストールしましょう。

3.2. 統合開発環境(IDE)の利用

Rのコードを効果的に開発、デバッグ、実行、可視化するためには、統合開発環境(IDE)を利用することをおすすめします。RStudioやJupyter Notebookなど、代表的なIDEを選択しましょう。

3.3. パッケージの依存関係と管理

Rでは、特定のパッケージを使用する場合には、そのパッケージが依存している他のパッケージもインストールする必要があります。パッケージの管理は、CRANやGitHubといったリポジトリを活用します。

3.4. ハードウェアの要件

Rの実行には、コンピュータのハードウェアやメモリのスペックも考慮する必要があります。大規模なデータセットや複雑な統計解析や機械学習アルゴリズムを実行する場合には、高性能なハードウェアが推奨されます。

これらの要素を考慮して、適切な実行環境を構築しましょう。そうすることで、データの分析や可視化をスムーズに行うことができます。

4. R言語とPythonの特徴

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R言語とPythonは、どちらもデータ分析に適したプログラミング言語ですが、それぞれに異なる特徴があります。

R言語の特徴

R言語は主に統計分析に特化しており、以下にその特徴をまとめます。

  1. 統計関数やデータ可視化ツールが豊富に用意されている。
  2. コミュニティが活発で、新しい手法や技術が容易に取り入れられる。
  3. データの前処理やクリーニングにも利用できる。
  4. オープンソースであり、無償で使用できる。

統計分析やデータ可視化において、R言語は優れた機能を持っています。数多くの統計関数や可視化ツールが提供されており、研究機関や統計の専門家によって広く利用されています。また、活発なコミュニティにより、新しい手法や技術の導入も容易です。さらに、データの前処理やクリーニングにも利用できるため、データサイエンティストやデータアナリストにとっては必要不可欠な言語です。

Pythonの特徴

Pythonもデータ分析に適したプログラミング言語であり、以下にその特徴をまとめます。

  1. シンプルで読みやすい構文を持つ。
  2. 豊富なライブラリが提供されており、データ分析や機械学習に役立つ機能が豊富。
  3. 活発なコミュニティがあり、問題解決においてサポートが充実している。
  4. クロスプラットフォーム対応であり、さまざまな環境で利用できる。
  5. 大規模プロジェクトにも適しており、多くの企業や組織で使用されている。

Pythonの特徴としては、シンプルで読みやすい構文が挙げられます。多くのデータサイエンティストにとって使いやすい言語として人気があります。また、豊富なライブラリの存在や活発なコミュニティにより、データ分析や機械学習の実現が容易になっています。さらに、Pythonはクロスプラットフォーム対応しているため、さまざまな環境で利用することができます。大規模なプロジェクトにおいても効果的に使用されており、多くの企業や組織で採用されています。

R言語とPythonは、どちらもデータ分析に適した機能を持っています。選択する際には、自身のニーズや好みに合った言語を選ぶことが重要です。

5. R言語とPythonの長所と短所

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R言語とPythonは、データサイエンスや機械学習の分野でよく使われるプログラミング言語です。それぞれには強みと弱みがありますので、以下で詳しく説明いたします。

R言語の強み

  • 統計解析に特化:R言語は、統計解析に特化した機能が豊富に備わっています。統計モデリングやデータの可視化、テキストマイニングなどのタスクに特に優れています。
  • データの可視化:R言語は、ggplot2などのパッケージを使うことで、優れたデータの可視化が可能です。図やグラフを簡単に作成することができます。
  • ライブラリの多様性:R言語には、多くの統計解析やデータ分析に関するパッケージがあります。これにより、データの操作や変換が容易に行えます。

R言語の弱み

  • 学習難度の高さ:R言語は、初心者にとって学習が難しいと言われています。特に、コンピュータサイエンスやプログラミングの経験がない人にとっては敷居が高く感じることがあります。
  • 汎用性の低さ:R言語は統計解析に特化しているため、他の目的にはあまり向いていません。一般的なアプリケーション開発やウェブ開発には、Pythonの方が適しています。

Pythonの強み

  • 汎用性の高さ:Pythonは、さまざまな目的に使用できる汎用性の高い言語です。データ分析や機械学習だけでなく、Web開発やスクレイピングなどにも広く使われています。
  • ライブラリの充実:Pythonには、データ分析や機械学習に関する多くのライブラリやフレームワークがあります。scikit-learnやTensorFlow、Kerasなどは、人工知能の開発に特に優れた機能があります。
  • 学習の容易さ:Pythonの構文はシンプルで読みやすいため、初心者にとって学びやすい言語とされています。

Pythonの弱み

  • 統計解析への特化度の低さ:Pythonは、統計解析においてはR言語ほど特化していません。R言語の統計解析機能に比べると、Pythonはより幅広い用途に使用されるため、一部の統計手法においては追加の調整が必要な場合があります。
  • データの可視化の調整の必要性:Pythonもデータの可視化には優れていますが、R言語のggplot2のようなパッケージを使用する場合と比較すると、追加の調整が必要な場合があります。

以上が、R言語とPythonの一部の長所と短所です。どちらの言語を学ぶかは、個々の目的や要件によって異なります。データ分析や統計解析に特化したタスクを行いたい場合は、R言語が適しています。一方、汎用的な用途や機械学習の実装を行いたい場合は、Pythonがおすすめです。

まとめ

R言語とPythonはともにデータサイエンスの分野で優れたツールですが、それぞれ特徴が異なります。R言語は統計解析に特化しており、データの可視化や複雑な統計モデリングに強みがあります。一方、Pythonは汎用性が高く、機械学習やWebアプリケーション開発など、広範囲の用途に使えます。どちらの言語を選ぶかは、用途や個人の嗜好によって異なりますが、両者を組み合わせて活用することで、より効果的なデータ分析が可能になります。データサイエンスの道を歩む上で、R言語とPythonの特性を理解し、状況に応じて最適な言語を選択することが大切です。

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この記事を書いた人

 大学卒業後、デジタルマーケティング企業に入社し、BtoBマーケティングのコンサルに従事。200社以上のコンサルティング経験に加え、ウェビナー・ワークショップ・Academyサイトの立ち上げに携わり、年間40件のイベント登壇と70件の学習コンテンツ制作を担当。
 その後、起業を志す中で、施策先行型のサービス展開ではなく企業の本質的な体質改善を促せる事業を展開できるよう、AI/DX分野において実績のあるAIソリューション企業へ転職。
 現在はAIソリューション企業に所属しながら、個人としてもAI×マーケティング分野で”未経験でもわかりやすく”をコンセプトに情報発信活動やカジュアル相談を実施中。

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