相関係数を徹底解説!統計学の重要指標の活用と注意点

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データ分析には欠かせない重要な指標である「相関係数」について、その概要や活用方法、注意点などを詳しく解説するブログを書きました。相関係数はデータ分析において多くの場面で役立ちますが、活用の際には正しい理解と適切な使い方が求められます。本ブログでは、相関係数に関する基礎知識からデータ分析での具体例、さらには因果関係との違いなど、相関係数に関する様々な側面を網羅的に説明しています。相関係数を上手に活用してデータ分析の質を高めたい方は、ぜひ本ブログをご覧ください。

目次

1. 相関係数とは何か?

相関係数は、2つの確率変数間の線形関係の強さを測る指標です。相関係数の値は-1以上1以下であり、1に近いほど正の相関が強く、-1に近いほど負の相関が強いことを示します。相関係数が0の場合は、完全な無相関を意味します。

相関係数にはいくつかの種類がありますが、一般的にはピアソンの積率相関係数が使用されます。他の種類にはスピアマンの相関係数やケンドールの相関係数があります。

以下に相関係数の特徴をまとめました:

  • 相関係数の値は-1以上1以下であり、1に近いほど正の相関が強く、-1に近いほど負の相関が強いことを示します。
  • 相関係数が0の場合は、完全な無相関を意味します。
  • ピアソンの積率相関係数が一般的に使用されますが、スピアマンの相関係数やケンドールの相関係数も存在します。

相関係数はデータ解析において非常に重要な指標です。以下では、相関係数を使ったデータ分析の例をいくつか紹介します。

2. 相関係数の計算方法

相関係数を計算する方法には、手計算やエクセルを使った方法があります。以下では、それぞれの方法について詳しく説明します。

2.1 手計算や電卓を使った計算方法

相関係数を計算するためには、共分散と標準偏差を使用します。手計算や電卓を使って相関係数を求める場合は、以下の公式を使用します。

相関係数 = 共分散 / (Xの標準偏差 × Yの標準偏差)

共分散や標準偏差については、数学のテキストで詳しく説明されていますが、ここでは割愛します。手計算や電卓を使用して相関係数を求める場合は、この公式を使います。

2.2 エクセルのCORREL関数を使った計算方法

エクセルでは、相関係数を簡単に計算するためのCORREL関数が利用できます。CORREL関数は以下のように使用します。

CORREL(変量1, 変量2)

CORREL関数の中に計算したい変量1と変量2の値を入れると、相関係数が計算されます。エクセルを使うことで、手軽に相関係数を求めることができます。

相関係数の計算方法には他にも様々な手法がありますが、手計算やエクセルのCORREL関数を使う方法が一般的で便利です。

3. データ分析での相関係数の活用例

データ分析において相関係数を活用することで、さまざまな有用な情報や洞察を得ることができます。以下に、相関係数の活用例を紹介します。

3-1. 改善したい指標と強く関連する要素を知りたい時

特定の指標を改善したい場合、その指標と強く関連する要素を知ることは重要です。相関係数を利用することによって、指標と関連する要素を特定することができます。

例えば、ある商品の売上を向上させたいと考えた場合、売上と関連する要素として「TVコマーシャル費用」、「WEB広告費用」、そして「販売スタッフ数」などが考えられます。これらの要素と売上との相関係数を計算することで、それぞれが売上にどの程度影響を与えるかを知ることができます。

3-2. データの解釈に根拠を与えたい時

相関係数を使うことで、2つのデータの関連性を数値的に表すことができます。これにより、データの解釈に客観性を持たせることができます。

例えば、先程の例で示した「売上とWEB広告費用の関係」を他者に説明する場合、相関係数を用いることで客観的な根拠を示すことができます。相関係数の値で「相関がある(またはない)」というデータの解釈に信頼性を与えることができます。

相関係数を利用することで、データ分析において効果的な意思決定を行うことができます。しかし、相関係数を使用する際には注意が必要です。次節では、相関係数を使う際の注意点を詳しく説明します。

3-3. その他の活用例

相関係数を用いることで、以下のような情報や洞察を得ることができます。

  • マーケティング戦略の立案: 顧客の購買履歴と売上との相関を調査し、顧客行動を予測するためのマーケティング戦略を立案することができます。
  • 効果的な販売戦略の決定: 店舗の立地や広告費と売上との相関を調査し、効果的な販売戦略を決定することができます。
  • 品質管理の改善: 製品の品質と顧客クレーム数との相関を調査し、品質管理の改善策を検討することができます。

以上のように、相関係数を活用することで、データ分析においてさまざまな情報や洞察を得ることができます。ただし、相関係数を使用する際には注意が必要です。次節では、相関係数を用いる際の注意点を詳しく説明します。

4. 相関係数を用いる際の注意点

相関係数を使用する際には、いくつか注意しなければならない点があります。以下、特に注意すべき3つのポイントについて解説します。

4-1. データ数は最低100は確保する

相関係数を求める際のデータが少ない場合、たまたま相関係数が大きい(または小さい)値になっている可能性があります。具体的には、データ数を100以上用意できると、信頼できる値を得られるでしょう。少ないデータで得られた結果に基づいて一般化しないように注意しましょう。

4-2. 外れ値に大きく影響されるため、散布図でデータ全体を可視化し外れ値に関して確認する

相関係数は外れ値に大きく影響されることがあります。そのため、外れ値の存在を考慮し、散布図を描いてデータの全体像を確認することが重要です。また、外れ値の扱い方も慎重に行う必要があります。外れ値を排除する前に、まずは散布図を見て外れ値の有無を確認し、相関分析を行う際には外れ値を除いたデータで行うことが望ましいです。

以下は外れ値の対処方法です:
1. 散布図を書いて外れ値がないか確認する。
2. 外れ値がある場合、外れ値と他のデータを分けて考える。
3. 外れ値を除いたデータで相関分析を行い関連性を確認し、外れ値の原因を仮説化する。

4-3. 直線関係しか分からないので、散布図でデータ全体を可視化し関係性を確認する

相関係数は一次関数の式で表される「直線的な」関連性を示す指標です。しかし、実際には直線的でない関係性や非線形の関係性も存在する場合があります。相関係数の値だけで関連性を判断するのは危険です。そのため、散布図を作成してデータの全体像を確認することが重要です。

以上、相関係数を用いる際の注意点について説明しました。これらのポイントを守ることで、より正確な結果を得ることができます。注意を怠らず、慎重に分析を行いましょう。

5. 相関と因果関係の違い

相関関係と因果関係はしばしば混同されますが、実際には異なる概念です。相関関係は、二つの事象の関連性を示すだけであり、一方の変化が他方の変化と関連しているという関係を示します。一方、因果関係は、一つの事象が他の事象に影響を与える関係を指します。

因果関係は相関関係よりも強力な関係です。因果関係では、二つの事象のうち一方が他方を引き起こす要因であるという関係を示します。相関関係は単に二つの事象が関連して変化することを示すだけです。

しかし、相関関係があるからといって必ずしも因果関係があるわけではありません。相関関係が成り立つことは、因果関係を証明するための十分な証拠ではありません。因果関係を示すためには、相関関係を示した上で、別の方法で因果関係を確認する必要があります。

因果関係を示す要素

因果関係を示すためには、以下の要素が重要です:

  • XがYに先行して発生すること
  • YはXが起きない場合に発生しないこと
  • YはXが起きた場合に必ず起こること(緩和されることもあります)

相関関係の注意点

相関関係に関しては以下の点に注意が必要です:

  • 相関関係が存在するからといって必ずしも因果関係があるわけではありません。
  • 相関関係が生じる原因には様々な可能性があり、因果関係を示さないことがあります。
  • 相関関係が生じた場合、以下のような可能性が考えられます:
  • BがAを引き起こす
  • AがBを引き起こす
  • AとBは共にCによって引き起こされる(疑似相関)
  • AとBには関係がないが偶然相関が生じた
  • AとBが互いに原因と結果の関係にある(ポジティブフィードバック)

相関関係と因果関係は異なる概念です。相関関係が存在するからといって必ずしも因果関係があるわけではありません。因果関係を判断するためには、先述の要素を考慮し、別の方法で因果関係を証明する必要があります。

まとめ

相関係数は、2つの変数間の線形関係の強さを示す重要な指標です。相関係数の値は-1から1の間で表され、1に近いほど強い正の相関、-1に近いほど強い負の相関を示します。相関係数は様々な場面で活用できますが、データ数や外れ値、関係の性質に注意を払う必要があります。また、相関関係と因果関係は異なる概念であり、相関が確認されても必ずしも因果関係が存在するわけではありません。データ分析において相関係数を活用する際は、慎重に分析し解釈することが重要です。

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この記事を書いた人

 大学卒業後、デジタルマーケティング企業に入社し、BtoBマーケティングのコンサルに従事。200社以上のコンサルティング経験に加え、ウェビナー・ワークショップ・Academyサイトの立ち上げに携わり、年間40件のイベント登壇と70件の学習コンテンツ制作を担当。
 その後、起業を志す中で、施策先行型のサービス展開ではなく企業の本質的な体質改善を促せる事業を展開できるよう、AI/DX分野において実績のあるAIソリューション企業へ転職。
 現在はAIソリューション企業に所属しながら、個人としてもAI×マーケティング分野で”未経験でもわかりやすく”をコンセプトに情報発信活動やカジュアル相談を実施中。

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