【Python x MeCab】自然言語処理の神となれ!日本語解析の第一歩を完全ガイド

青空

自然言語処理の分野において、形態素解析は非常に重要な処理です。形態素解析とは文章を意味のある最小単位である「単語」に分解し、品詞などを判別する作業のことです。MeCabは、オープンソースの日本語形態素解析エンジンであり、高速かつ高精度な解析が可能です。このブログでは、MeCabの概要、準備手順、インストール方法、Pythonでの実行方法、応用例などについて詳しく解説します。自然言語処理に興味がある方は、ぜひこのブログをご覧ください。

目次

1. MeCabとは何か

linguistics

MeCab(めかぶ)は、オープンソースの形態素解析エンジンです。形態素解析は、文章やフレーズを意味のある最小単位である「単語」に分解し、品詞などを判別する作業です。

1.1 MeCabの特徴

  • オープンソースの形態素解析エンジンであるため、自由に利用や改変が可能です。
  • MeCabという名前の由来は、開発者がめかぶが大好物だったことからきています。
  • 言語や辞書に依存しない汎用的な設計がされており、使いやすさが特徴です。
  • 高速かつ高精度な日本語の形態素解析が可能です。
  • 商用利用も可能なライセンスで提供されています。

1.2 MeCabの優位性

  • 日本語の形態素解析に関する情報が豊富であり、他の解析エンジンに比べて使いやすさがあります。
  • ユーザーが新語や固有表現を自分で追加することができます。

1.3 辞書の利用

  • MeCabを利用するためには、辞書の導入が必要です。
  • Windows版のMeCabにはIPA辞書が添付されていますが、「mecab-ipadic-NEologd」という辞書を使用することをおすすめします。
  • mecab-ipadic-NEologdはウェブ上の情報を元に週2回以上更新されるため、新語や固有表現にも適しています。

1.4 応用例

MeCabを使用することで、以下のような応用が可能です。
– 文章中の単語や品詞の判定
– 出現回数の解析
– 文章の分類や意味の抽出

MeCabのインストールと使い方を学ぶことで、形態素解析に触れることができます。次のセクションでは、PythonでMeCabを使用するための準備について説明します。

2. PythonでMeCabを使う準備

programming

PythonでMeCabを使用するためには、いくつかの準備が必要です。以下の手順を順に実行してください。

2.1 Python環境の準備

まず、Pythonの環境を整える必要があります。Anacondaを使用してPythonをインストールすることをおすすめします。Anacondaは関連するソフトウェアをまとめて導入できるため、便利です。

  1. Anacondaをインストールします。
  2. Anaconda Navigatorを起動します。
  3. Environmentsから新しい環境を作成します。
  4. 適当な名前(例: “MeCab”)を設定し、Pythonのバージョンを選択して作成します。

2.2 MeCabのインストール

次に、MeCabをインストールします。以下の手順に従って進めてください。

  1. 公式サイトからバイナリパッケージをダウンロードします。
  2. ダウンロードしたパッケージを実行してインストールします。
  3. 辞書の文字コードとして「UTF-8」を選択することを忘れないでください。

2.3 Pythonパッケージのインストール

PythonからMeCabを使用するためには、mecab-python3パッケージをインストールする必要があります。以下の手順に従って進めてください。

  1. Anaconda Promptを起動します。
  2. 以下のコマンドを入力して、mecab-python3パッケージをインストールします。

python
pip install mecab-python3

2.4 MeCabの設定

PythonからMeCabを使用するためには、環境変数の設定が必要です。以下の手順に従って進めてください。

  1. Anaconda Promptを起動します。
  2. MeCabの環境に変更します。以下のコマンドを入力してください。

python
activate MeCab

  1. (base)から(MeCab)に変わったことを確認してください。

2.5 動作確認

以上の準備が完了したら、PythonからMeCabを使用する準備が整いました。以下のコードを実行してみてください。

python
import MeCab
mecab = MeCab.Tagger()
result = mecab.parse("今日はいい天気ですね。")
print(result)

上記のコードを実行すると、文字列の形態素解析結果が表示されます。これによって、PythonからMeCabが正しく利用できることが確認できます。

3. MeCabのインストール手順

青空

MeCabをインストールする手順は以下のとおりです。

  1. MeCab 64bit 版の入手: こちらからMeCab 64bit 版をダウンロードします。2022年5月現在では、mecab-64-0.996.2.exeがダウンロードされます。

  2. MeCabのインストール: ダウンロードしたインストーラをダブルクリックし、画面の指示に従ってインストールを行います。インストール時には、辞書の文字コード選択でUTF-8を選択することが重要です。なお、Windowsのコマンドプロンプト上で文字化けすることがありますが、問題ありません。

  3. mecab-python3のインストール: コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。

pip install mecab-python3

  1. 辞書のインストール: 標準的な辞書であるunidicをインストールします。以下のコマンドを実行してください。

pip install unidic

注意: unidic-liteという軽量版の辞書も利用できますが、実行時にフォルダが見つからないエラーが発生することがあるため、今回はunidicのインストールをおすすめします。

これでMeCabのインストールが完了です。インストールが成功したら、Pythonを起動してMeCabを実行してみてください。

4. PythonコードでMeCabを実行する

nature

MeCabをPythonで実行するためには、以下の手順を実施します。

  1. PythonのスクリプトエディタやJupyter Notebookを開いて、MeCabをインポートします。

python
import MeCab

  1. 形態素解析するテキストデータを用意し、MeCabに渡して解析を行います。例として、「あの花は美しい」という文を使用します。

python
target_str = "あの花は美しい"
mecab = MeCab.Tagger()
result = mecab.parse(target_str)
print(result)

  1. コードを実行すると、解析結果が出力されます。

あの 名詞,代名詞,一般,*,*,*,あの,アノ,アノ
花 名詞,一般,*,*,*,*,花,ハナ,ハナ
は 助詞,係助詞,*,*,*,*,は,ハ,ワ
美しい 形容詞,自立,*,*,形容詞・イ段,基本形,美しい,ウツクシイ,ウツクシイ

この結果には、形態素解析の結果として各形態素の品詞や読みなどの情報が表示されます。

もし、MeCabの辞書の文字コードを間違って「SHIFT-JIS」に設定してしまった場合、形態素解析でエラーが発生する可能性があります。その場合は、MeCabをアンインストールし、辞書を「UTF-8」に指定して再度インストールする必要があります。

以上で、PythonコードでMeCabを実行する方法の紹介が完了しました。形態素解析を行いたいテキストデータを用意し、それをMeCabに渡すことで、形態素解析結果を取得できます。

5. MeCabの活用例

food

MeCabを使うことで、日本語の文章を形態素解析して様々な情報を取得することができます。以下では、MeCabを活用した具体的な例を紹介します。

5.1. 文章の分割と品詞情報の取得

MeCabを使用して、与えられた文章を単語毎に分割し、各単語の品詞情報を取得することができます。以下のコードを実行すると、与えられた文章をMeCabで形態素解析し、単語と品詞情報のリストを取得します。

“`python
import MeCab

def tokenize(text):
tagger = MeCab.Tagger(“-Owakati”)
result = tagger.parse(text)
return result.strip().split(” “)

def analyze(text):
tagger = MeCab.Tagger()
result = tagger.parse(text).split(“\n”)[:-2]
data = []
for res in result:
word, info = res.split(“\t”)
info = info.split(“,”)
data.append((word, info[0], info[1], info[6]))
return data

text = “私の朝食はパンでした。”
words = tokenize(text)
info = analyze(text)

print(“分割された単語:”, words)
print(“単語毎の品詞情報:”)
for word in info:
print(f”単語: {word[0]}, 品詞: {word[1]}, 品詞細分類1: {word[2]}, 発音: {word[3]}”)
“`

実行結果は以下のようになります。

分割された単語: ['私', 'の', '朝食', 'は', 'パン', 'でし', 'た', '。']
単語毎の品詞情報:
単語: 私, 品詞: 名詞, 品詞細分類1: 代名詞, 発音: ワタシ
単語: の, 品詞: 助詞, 品詞細分類1: 連体化, 発音: ノ
単語: 朝食, 品詞: 名詞, 品詞細分類1: サ変接続, 発音: チョウショク
単語: は, 品詞: 助詞, 品詞細分類1: 係助詞, 発音: ハ
単語: パン, 品詞: 名詞, 品詞細分類1: 一般, 発音: パン
単語: でし, 品詞: 助動詞, 品詞細分類1: *, 発音: デシ
単語: た, 品詞: 助動詞, 品詞細分類1: *, 発音: タ
単語: 。, 品詞: 記号, 品詞細分類1: 句点, 発音: 。

5.2. 単語の出現頻度の集計

MeCabを使って、与えられた文章に含まれる単語の出現頻度を集計することもできます。以下のコードを実行すると、与えられた文章に含まれる単語とその出現回数の辞書が得られます。

“`python
import MeCab
from collections import Counter

def get_word_count(text):
tagger = MeCab.Tagger(“-Owakati”)
words = tagger.parse(text).strip().split(” “)
word_count = Counter(words)
return word_count

text = “私の朝食はパンでした。朝食は大切です。”
word_count = get_word_count(text)

print(“単語毎の出現回数:”)
for word, count in word_count.items():
print(f”単語: {word}, 出現回数: {count}”)
“`

実行結果は以下のようになります。

単語毎の出現回数:
単語: 私, 出現回数: 1
単語: の, 出現回数: 1
単語: 朝食, 出現回数: 2
単語: は, 出現回数: 2
単語: パン, 出現回数: 1
単語: でし, 出現回数: 1
単語: た, 出現回数: 1
単語: 。, 出現回数: 2
大切, 出現回数: 1

以上のように、MeCabを活用することで形態素解析の結果を利用して様々な処理を行うことができます。

まとめ

MeCabは、オープンソースの形態素解析エンジンであり、日本語の処理において非常に有用です。本記事では、MeCabのインストール方法や基本的な使い方から、単語の分割や出現頻度の集計など、様々な活用例を紹介しました。MeCabは柔軟性が高く、新語や固有表現への対応も優れているため、自然言語処理の基礎としても重宝されています。本記事を参考にしながら、ぜひMeCabを使ってみてください。

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この記事を書いた人

 大学卒業後、デジタルマーケティング企業に入社し、BtoBマーケティングのコンサルに従事。200社以上のコンサルティング経験に加え、ウェビナー・ワークショップ・Academyサイトの立ち上げに携わり、年間40件のイベント登壇と70件の学習コンテンツ制作を担当。
 その後、起業を志す中で、施策先行型のサービス展開ではなく企業の本質的な体質改善を促せる事業を展開できるよう、AI/DX分野において実績のあるAIソリューション企業へ転職。
 現在はAIソリューション企業に所属しながら、個人としてもAI×マーケティング分野で”未経験でもわかりやすく”をコンセプトに情報発信活動やカジュアル相談を実施中。

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