実例でわかる「ロジスティック回帰分析」の基本と活用術

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ロジスティック回帰分析は、マーケティングや医療、金融など様々な分野で使用される重要な統計手法です。この分析手法を用いることで、複数の要因から特定の事象が起こる確率を予測することができます。本ブログでは、ロジスティック回帰分析の概要から具体的な活用事例、種類、手順までを詳しく解説していきます。データ分析の基礎知識を身につけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

1. ロジスティック回帰分析とは

ロジスティック回帰分析は、製造業やオンラインサービスなどの分野で使用される2値分類のための分析手法です。これは、特定の事象が発生する確率を推測するための手法であり、ビジネスシーンでも広く活用されています。

ロジスティック回帰分析は、多変量解析の一種であり、特定の事象が起こる確率を分析し、予測するためのツールです。マーケティング施策や医療、気象、金融など、多岐にわたる分野で利用されており、人気があります。

この分析手法は、エクセルなどのツールでも簡単に実施することができます。データアナリストやデータサイエンティストがいなくても、初歩的な分析には適しており、利用しやすいというメリットがあります。

ただし、より複雑な分析を行う場合には、プログラミング言語の習得をおすすめします。特にPythonは、ロジスティック回帰分析だけでなく、AIや機械学習、アプリケーションの開発などにも応用できるため、幅広い用途に利用することができます。

ロジスティック回帰分析は、複数の要素から目的変数が発生する確率を説明・予測する統計手法です。それにより、複数の要素から2値の結果が発生する確率を予測することが可能です。

2. ロジスティック回帰分析の特徴

ロジスティック回帰分析は多変量解析の一種であり、特定の事象が起きる確率を分析する手法です。以下にロジスティック回帰分析の特徴をまとめます。

2.1 多変量解析の一つである

ロジスティック回帰分析は多変量解析の一種であり、複数の変数の関係を分析する統計手法です。

2.2 目的変数が質的な値である

ロジスティック回帰分析では、目的変数が2つのカテゴリのいずれかを取る質的な値であることが特徴です。

2.3 オッズとオッズ比を利用する

ロジスティック回帰分析では、オッズとオッズ比という概念を利用します。

2.4 表計算ソフトで容易に分析が行える

ロジスティック回帰分析は、一定の訓練を積んだ後は、表計算ソフト(例: エクセル)を使用して比較的簡単に分析が行える特徴があります。

2.5 幅広い応用が可能

ロジスティック回帰分析は、マーケティングを含む様々な分野で活用されています。

3. ロジスティック回帰分析の活用事例

ロジスティック回帰分析は、さまざまな分野で幅広く活用されています。以下に、具体的な活用事例をいくつか紹介します。

3.1 商品の購買予測

ロジスティック回帰分析は、ユーザの行動データを利用して商品の購買予測を行うのに適しています。例えば、キャンペーンの影響でどれだけ購買が促進されたかや、ある商品を購入したユーザが特定の商品も購入しているかどうかなどを分析することができます。

3.2 サブスクリプションサービスの継続予測

ロジスティック回帰分析は、ユーザのサブスクリプションサービスの継続を予測する際にも有用です。新しいキャンペーンを実施した際にどれだけのユーザが継続するかを分析することができます。

3.3 病気の予測

医療分野でもロジスティック回帰分析は活用されています。特定の病気の発症の有無を予測することができます。患者の健康データや生活習慣をもとに、ある疾患が発症するかどうかを判定することができます。

3.4 不正の検知予測

ロジスティック回帰分析は、不正の検知予測にも活用されます。顧客の取引履歴やアクティビティのデータを利用して、不正のリスクを評価することができます。

以上がロジスティック回帰分析の活用事例の一部です。この手法は、2つの結果を予測する際に強力なツールとなります。各分野において、要因の影響を明確化するために利用されています。

4. ロジスティック回帰分析の種類

ロジスティック回帰分析には、以下の3つの種類があります。

4.1 二項ロジスティック回帰

二項ロジスティック回帰は、目的変数の結果が0か1になる場合に使用されます。例えば、購入の有無や台風・落雷の発生有無など、結果が2つしかない予測を行う際に利用されます。

4.2 多項ロジスティック回帰

多項ロジスティック回帰は、目的変数が0か1ではなく、3つ以上の結果を予測する場合に使用されます。たとえば、商品のカラー展開の中で最も購入される色を予測する際や、音楽アプリケーションでの再生回数の予測に利用されます。多項ロジスティック回帰は主にマーケティング施策の最適化に活用されます。

4.3 序数ロジスティック回帰

序数ロジスティック回帰は、多項ロジスティック回帰と同様に3つ以上の目的変数がある場合に使用されますが、目的変数には順序があります。たとえば、製菓メーカーが飴のフレーバーの好みと人気の関係を調べる場合に利用されます。顧客に「美味しい」から「美味しくない」までの6段階で評価してもらい、味の評価と実際の売上との相関関係を調べることができます。

以上がロジスティック回帰分析の種類の概要です。それぞれの種類は異なる予測タスクに使用され、ビジネスの判断やマーケティング施策の最適化に役立ちます。

5. ロジスティック回帰分析の手順

ロジスティック回帰分析を行うための手順は以下の5ステップです。

ステップ1:データの準備と加工

まずは、分析するデータの確認と加工を行います。以下のポイントに留意しましょう。

  • 異常な値や欠損データがないか確認する。
  • 単位の異なる数値を統一する。
  • 文字データを数値に変換する。

異常なデータや欠損データは、回帰分析の結果に影響を及ぼす可能性があります。また、単位の異なる数値や文字データが含まれている場合は、適切な加工が必要です。

ステップ2:分析環境の設定

次に、ロジスティック回帰分析を行うための環境を設定します。プログラミング言語を使用して分析を行います。

一般的に使用されるプログラミング言語にはPythonやR、SASなどがあります。選んだ言語を使用して分析環境を整えましょう。

ステップ3:モデルの作成

環境が整ったら、実際にロジスティック回帰モデルを作成します。モデル作成には、訓練データとテストデータを分割する必要があります。

訓練データはモデルの作成に使用し、テストデータは作成したモデルの予測精度を評価するために利用します。

モデルの作成には、選んだプログラミング言語の関数やライブラリを活用します。具体的な手順は、各プログラミング言語のドキュメントやチュートリアルを参考にしてください。

ステップ4:モデルの評価

作成したモデルの予測精度を評価します。評価にはテストデータを使用します。

分類問題では、正解率や適合率、再現率、F値などの指標を使用してモデルの性能を評価します。評価結果を基に、必要に応じて改善を行いましょう。

ステップ5:変数の分析

最後に、作成したモデルにおいて分類を左右する重要な変数(項目)の分析を行います。

ロジスティック回帰の式に基づき、重要な変数を特定し、その変数が予測にどのような影響を与えているかを分析します。

回帰係数だけでなく、オッズ比を求めることでより詳細な解釈ができます。

以上が、ロジスティック回帰分析の手順です。プログラミングを使用することで効率的にデータ分析ができますが、プログラミングが苦手な場合は、データサイエンスの専門家に相談しましょう。

まとめ

ロジスティック回帰分析は、2値分類問題を解くための強力な手法です。この分析手法は、さまざまな分野で活用されており、顧客行動の予測、不正検知、医療診断などの幅広いアプリケーションに適しています。ロジスティック回帰分析を理解し、適切に活用することで、ビジネス上の意思決定を支援し、効率的な施策立案につなげることができます。初学者でも表計算ソフトを使って分析を始められるため、ぜひ活用してみましょう。

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この記事を書いた人

 大学卒業後、デジタルマーケティング企業に入社し、BtoBマーケティングのコンサルに従事。200社以上のコンサルティング経験に加え、ウェビナー・ワークショップ・Academyサイトの立ち上げに携わり、年間40件のイベント登壇と70件の学習コンテンツ制作を担当。
 その後、起業を志す中で、施策先行型のサービス展開ではなく企業の本質的な体質改善を促せる事業を展開できるよう、AI/DX分野において実績のあるAIソリューション企業へ転職。
 現在はAIソリューション企業に所属しながら、個人としてもAI×マーケティング分野で”未経験でもわかりやすく”をコンセプトに情報発信活動やカジュアル相談を実施中。

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